映像制作現場における、遠隔バーチャルプロダクションの課題解消に向け、『Future-Build Powered by IOWN』採択パートナーとしての取り組みを開始
2024年06月04日
バルス株式会社は、次世代の通信インフラを目指して西日本電信電話株式会社(代表取締役社長:北村 亮太、以下、NTT西日本)が提唱するプロジェクト『Future-Build Powered by IOWN』※1の採択パートナーとして、映像制作現場における、遠隔バーチャルプロダクションの課題解消に向けた取り組みを行っております。
今回は、遠隔バーチャルプロダクションの課題解決に向け、ユースケースとして期待されているリモートプロダクションの更なる発展に向けたリモート“バーチャル”プロダクションの取り組みを開始し、Interop Tokyo2024※2(以下、Interop)で公開いたします。
(図1) リモート”バーチャル”プロダクションの実施イメージ
背景・目的
バルスは、NTT西日本が推進する、次世代通信・コンピューティングインフラ「IOWN」のある未来を創る『Future-Build Powered by IOWN』の未来共創パートナーとして選出され、未来のユースケース創出に向けて取り組んでおります。
今回、映像や音声の制作において撮影と制作を別の場所で行うリモートプロダクションと、大容量・低遅延を特長とするIOWNオールフォトニクス・ネットワーク(APN)を組み合わせた、リモート“バーチャル”プロダクション(以下、RVP)の実現に取り組みます。
RVPは、今後拡大が期待されるデジタル配信型のライブエンターテイメント※3の分野において、IOWN APNをいかした新たな市場を担う可能性があると考えています。
従来から映像制作で活用が期待されているリモートプロダクションは、遠隔×複数拠点での実施において、
①回線遅延が発生し、拠点ごとでの操作タイミングにズレが生じ、一括での制御が難しいこと
②映像品質の劣化を防ぐために用途ごとの通信回線の敷設が必要なこと
という課題が発生し、活用が進んでいません。
今回のRVPでは、IOWN APNの特長である「低遅延」「大容量」により上記2点の解決をめざします。①については、IOWN APNの特長の「低遅延」によりバーチャルとリアルの出演者のカメラ(画角)の複数拠点同時切替を実現し、オペレーションの省人化を図ります。②については、IOWN APNの特長の「大容量」により敷設回線を少なくし、機器構成をシンプルにすることで、より利便性の高い映像撮影・制作をめざします。
実施概要
(1) 実施内容
Interop会場である“幕張メッセ”と大阪“QUINTBRIDGE”、東京“OPEN HUB Park”の3拠点をIOWN APNで接続し、幕張メッセとQUINTBRIDGEにいる出演者と、OPEN HUB ParkのVTuberがあたかも同じ場所で収録しているような映像を制作し、配信します。回線速度としては、東京-大阪間約700㎞を、遅延5msec以下で接続します。また、Interop会場では、VTuberによる配信プログラムの実施や来場者向けの体験機会を提供する予定です。
(図2)Interopの出展イメージ
(2) 実施場所
幕張メッセ 千葉県千葉市美浜区中瀬2丁目1
(遠隔会場)QUINTBRIDGE 大阪府大阪市都島区東野田町4丁目15番82号
(遠隔会場)OPEN HUB Park 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 大手町プレイス
(3) 役割分担
バルス
・XRライブ配信ノウハウを生かした、本実証での配信プログラムと体験機会の企画・運営
・配信プログラムの実証を通じて、RVPの手法によるXRライブ配信の実現性確認
NTT西日本
・IOWN APNの「低遅延性」「大容量性」による、映像制作現場におけるRVPの性能検証
・RVPによるユースケースの実証、ビジネスモデル検討
今後の展開について
今後も映像制作現場における、遠隔バーチャルプロダクションの課題解消に向けた取り組みを行ってまいります。
※1 NTT西日本 2024年2月5日報道発表 https://www.ntt-west.co.jp/news/2402/240205a.html
※2 Interop Tokyo2024 https://www.interop.jp/
※3 デジタル配信型のライブエンターテイメントとは、音楽コンサートやステージでのパフォーマンスイベントなどリアルなライブエンターテイメントをオンラインにて配信すること
※4 「OPEN HUB Park」は、NTTコミュニケーションズ株式会社が2022年2月に開設した最先端技術を備えたワークプレイスです。